PDGA Junior World 2023 参加の記録

インタビュー

荒波 恒平

2023年、私たちを大いに賑わせてくれたPDGA Junior World。その盛り上がりの大きな要因となったのが、日本人プレーヤーの出場です。今回、日本から唯一の出場となった荒波健太選手。その保護者として同行された荒波恒平選手に、ジュニアワールドへの出場までや、渡米の記録を寄稿いただきました。今後、ジュニアワールドを目指したいという方に大変参考になる内容かと思いますので、ぜひご覧頂ければと思います。

PDGA Junior World

Junior World は PDGA メジャー大会の1つで、全世界からトップのジュニア選手が集まる大会です。カテゴリは、MJ18 (18歳以下オープン、以下同様)、FJ18(18歳以下女子、以下同様)、MJ15、FJ15、MJ12、FJ12、MJ10、FJ10、MJ08、FJ08のカテゴリがあります。

2022年度にMJ15のカテゴリで挑戦を考えましたが、2021年度に新型コロナウィルスの影響で日本では公式戦があまり開かれなかったこともあり、出場資格を得ることができませんでした。2023年度にMJ18カテゴリで資格を得られ、参加することができましたので、参加に至るまでの経緯や、現地でトーナメントを戦う準備などを記録として残したいと思います。今後、Junior World に挑戦する選手のために参考になれば幸いです。

トーナメントに関する報告は、以下をご覧ください。

出場権利の獲得

PDGA Junior World への出場には、まず以下の条件を満たす必要があります。

  • 前年度のPDGAアマ部門登録メンバーであること
  • Junior World が開かれる年の誕生日に、8歳から18歳になること。
  • 前年度にPDGA公式戦に最低3試合出場していること

条件は変更になることもあるので、以下のページなどから確認してください。

How to Qualify: PDGA Junior Worlds Invite
Earn your spot to compete for a PDGA World Championship PDGA Junior Worlds offers a fun and fierce competition every yea...

上の条件を満たした上で、以下6つの基準のいづれかを満たす必要があります。

  1. アメリカのアマチュアポイント獲得者(MJ18,FJ18,MJ15,FJ15,MJ12,FJ12,MJ10)
  2. その他のMJ08, FJ10,FJ08
  3. アメリカの選手対象なので省略
  4. インターナショナル(カナダ、アメリカ以外の選手)
  5. カナダ選手
  6. 前年度チャンピオン

その後、実際の Invitation Letter では、さらに以下の基準により優先順位がつけられます。優先順位の高い選手は、より早い段階で参加申込登録を行うことができます。2023年の例では

  1. 各カテゴリのPDGAレーティング上位5%の選手: 2023/3/16
  2. インターナショナル&カナダ選手(米国外):2023/3/23
  3. 全ての選手(ただし自分の年齢のカテゴリ):2023/3/30
  4. 全ての選手(自分の上のカテゴリ含む):2023/4/6
  5. 全てのジュニア選手(おそらく、前年度の公式戦出場数などを満たしていなくてもOK):2023/4/13

今回は1のカテゴリでしたので余裕をもって参加登録が可能でしたが、1のカテゴリで全て埋まった訳ではなく、日本からの参加であれば2のカテゴリに入るので、参加登録が可能になった時点ですぐに申し込めば、参加はしやすいと思います。

日本での高レーティング獲得のコツ

日本においては、プロ部門に試合に出て良い成績を残すことで、比較的高いレーティングを得ることができます。(賞金を受け取ってしまうとプロ登録選手となってしまい、Junior Worldに出られなくなるので注意が必要)。プロ部門で戦える技術が整ってきた場合は、日本のトーナメントではプロ部門で腕を磨くのも1つの方法です。

JPDGAのポイントシステムでは、年間表彰者、日本選手権優勝者、ローアマチュア賞獲得者(上記条件を満たしている者)にWorld参加費の一部補助を行なっており、2022年の日本シリーズにおいてローアマチュアとなった荒波健太選手も渡航費の一部補助を頂いたとのこと。是非活用したいシステムですね!→詳細はこちら

出場選手登録

Kenta Aranami photo by PDGA flickr

出場選手登録は、Disc Golf Sceneを通して行いました。

Disc Golf Scene(ディスク ゴルフ シーン)とは

トーナメント・イベント情報とエントリー、コース紹介などありとあらゆるディスクゴルフ情報網羅されており、世界中のディスクゴルファーと繋がれるコミュニティです。

この時に、フィールドイベント(ディスタンス、パットコンテスト、スキルショット)やダブルス、プレイヤーズミーティングやプレイヤーズパーティー、その他の夜のイベントなどに申し込みも行います。

ダブルス

ダブルスのペアは、申し込み時のメモに「主催者側で探してもらえるのか」と問い合わせてみたのですが全く音沙汰がなく、ペア決定期限の1週間ほど前になって「ペアが指定されていないが、ペアの名前を教えて欲しい。いついつまでに登録がなければキャンセルとして返金する。」といったメールが突然きました。ペアは自分で探す必要があるようです。Disc Golf Scene 上に掲示板があるので、ペアを募集したところ、香港の選手が一緒に出ようと言ってくれたため、無事ダブルスに出場することができました。

プレーヤーズミーティング・プレイヤーズパーティー

プレーヤーズミーティングやプレイヤーズパーティーにはぜひ参加すると良いと思います。2023年度の例では、プールナイトはイベント自体は微妙でしたが、その場で Patrick Yu 選手と知り合いになれたのは大きな収穫でした。

本人確認

出場選手登録からしばらく経った後、PDGA Identity Verification Requirements というのが PDGA Major では必須とのことで、https://www.pdga.com/policy/identity-verification/upload からパスポート用の写真を登録しました。現地でもできるようです。

渡米準備

ホテル

主催者が近くのホテルを(相対的に)安く抑えている場合があります。今回もそれを利用しました。

航空券

海外航空券サイト等の予約でOKです。今回は楽天トラベルを利用しました。

パスポート

最寄りの池袋で取得しました。日付によっては19時頃まで受付されており、申請は保護者のみでも可能(ただし全員分の身分証が必要)でした。受け取りは本人が行く必要があります。

国際運転免許証

神田で取得しました。平日昼間しか取得できません。

ESTA

米国への入国にはESTAが必要です。パスポートができてから手続きをします。英語に問題なければ、1人分20分程度で入力可能です。

ESTAとは

ESTAは、ビザ免除プログラム(VWP) を利用して渡米する旅行者の適格性を判断する電子システム。米国国土安全保障省(DHS)により2009年1月12日から義務化。90日以下の短期商用・観光の目的で渡米しようとする日本国籍の方は、米国行きの航空機や船に搭乗する前に、電子渡航認証を受けなければなりません。

SIMカード

値段や保険の意味もろもろ考えて、健太用のAT&T (10日間300MB/日上限後256kbps、2330円)+私用のT-moblie(10日間無制限:3430円)としました。基本は一緒に行動するので、健太の300MB/日に引っかかりそうなら私の携帯からのデザリングも想定しました。

・AT&TをAmazonで見る

・T-MobileをAmazonで見る

AT&T の方は、アクティベーション不要で、初めに刺した時からスタートになる模様でした。
T-Mobile は事前アクティベーション手続きが必要でした(手続きはすぐ終わりました)。なお、シカゴ空港の手荷物受け取りスペースまでは、制限がかかっているのか、電波がつながりませんでした。

医療保険

所持しているクレジットカードにかなり充実した海外旅行附帯保険がついていたので、ほぼそれで対応することにしました。ただし、治療費用のみ足りない感じ(アメリカで病院にかかると膨大な費用がかかる)だったので、「たびほ」のカスタマイズで、治療費用3000万円だけをつけました。附帯保険が適用される条件に、そのクレジットカードで航空券を買うこと、などがある場合もあり注意が必要です。

日本ディスクゴルフ協会公認の国内外が対象となるディスクゴルフ保険もありますのでご参考ください。

レンタカー

今回はシカゴまでの直通便でそこからピオリアまでは航空機もあったのですが、車で3時間くらいの距離だったこと、また、現地での移動に車が必須だったこともあって、シカゴでレンタカーを借りることにしました。ネットで一番安かった Dollar という会社を使いましたが、他の会社のカウンターが空いていたのに、Dollarのカウンターでは1時間以上列に並ぶことになりました。高い費用を払って渡米しているので、後で考えれば、並ぶの時間をかけるのはもったいない気もしました。

現地では、Liabirity Insurance(賠償責任保険)を勧められて加入しましたが、必要だったかどうかは疑問でした。また、高速のシステム(ETCの様なもの、1日15$程度?)についても聞かれて、こちらは断りました。シカゴ周辺では高速がいくつかあるので、こちらに乗ってしまうとナンバープレートをもとに課金され、後日クレジットカードから引き落とされます。(その際事務手数料も取られる)結果的にはごく短い区間を高速に乗ってしまいましたが、手数料合わせて合計20$以下でしたので、システムを借りる必要はありませんでした。カーナビは不要で、Google Map のナビが非常に役立ちました。GoogleMapに「有料道路を使用しない」というオプションがあるので、これを設定しておくと高速料金を支払うのを避けられそうです。右側通行はある程度すぐに慣れますが、ウィンカーとワイパーは最後まで慣れませんでした。

車にはUSBポートが付いているので、充電の心配はあまりなく、Google Map をカーナビ代わりにすることになるので、携帯を固定できるようなものがあると便利です。

現地での生活

外食をすると非常に高く、野菜を摂るのに苦労します。滞在前半は何度もマクドナルドに行く羽目になりました。スーパーで売っている食材は安いので、滞在後半は、パンと野菜とハムを買って、サンドイッチを作るのが一番口に合いました(マクドナルドは日本と同じですが高い)。現地で食べたものでは、メキシカン料理が野菜の摂取や値段の面からも良いオプションになりました。

荒波さんに「持っていって良かった(持っていったら良かった)ものを伺ったところ、「サトウのご飯と、アメリカにも持ち込み可能なカップそばでしょうか。あと、タフグミなどの日本のお菓子は人気でした。」とのこと!PDGA World Championshipに参加されていたメンバーはキッチン付きの場所に宿泊されていたので乾麺を持参したりしていましたね。滞在も長くなりますので、食事面もしっかりリサーチして挑みたいところです。

最後に

初渡米ということでいろんな不安がありつつも、インターネットで事前に情報収集をすることができ、また、現地でも携帯がつながるので、大きなトラブルなく過ごすことができました。私の知っていることであればなんでも情報提供しますので、ぜひ挑戦してみてください!

以上、荒波恒平選手によるPDGA Junior World 2023 参加の記録でした。大変貴重な情報を有難うございました!Worldに挑戦したいという方にとって、やはり参加経験者の経験が何よりの情報源。日本で必要なこと、現地での情報など、是非どんどん確認して、世界へチャレンジしてみてくださいね!

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