福田孝一選手関西オープン3連覇達成インタビュー

インタビュー

福田孝一選手関西オープン3連覇達成インタビュー

2020年9月6日、多くのスタッフ様のご尽力により第23回関西オープンが無事閉会を迎えた中、「国内公式戦プロオープン3連覇」という、今現在僅か数名のプレーヤーしか達成していない難しい記録にまた1人のプレーヤーがその名を刻む事となります。

ディスクゴルフナビでは第23回関西オープンプロオープン部門優勝、そして今回の優勝により第21回〜23回関西オープン3連覇を達成した福田孝一選手へ文章にて質問形式でのインタビューを行わさせて頂きました。大会終了直後のご連絡にも関わらず快くお受けして頂き誠にありがとうございます。

福田孝一選手
関西オープン
3連覇達成インタビュー

日付2020年9月8日
質問ディスクゴルフナビ編集部
回答福田孝一選手(PDGA #102802)

第23回関西オープン優勝、おめでとう御座います。
国内公式戦プロオープンでの3連覇以上は福田選手を含めてごく僅か数名(ディスクゴルフナビ調べでは5名)しか達成していない快挙です。大会が終わり今の率直な感想をお聞かせください。

ありがとうございます。達成者はそんなに少ないんですか?!偉大な選手たちと名を連ねることができて光栄です。今は3連覇した達成感より、2020年のシーズンがようやく始まったという安堵感の方が大きいです。関西オープン大会関係者の皆様に心から感謝します。

photo by D.ch

関西オープン2連覇から3連覇へ挑戦した時の意気込みをお聞かせください。

2連覇を達成したときはWorlds(※)帰りだったのもあり、2連覇の意識よりもアメリカでの悔しさをぶつけるつもりで無心で投げての優勝でした。今年もあの時の気持ちを忘れぬようディフェンディングチャンピオンではなく、もう一度世界を夢見るチャレンジャーとして望みました。また自粛期間中に新たに掴みかけていた技術や感覚もあり、それを実戦で試してみたいというワクワク感もありました。
※2019 PDGA Professional Disc Golf World Championships(アメリカ合衆国イリノイ州開催)

初日(R1+R2)を終えた時点で2位になり、トップから4位まで5投差の拮抗した試合展開となりましたが2日目に向けて作戦やモチベーションなど考えていた事をお聞かせください。

実力伯仲のメンバー、そして高難度のコースのため混戦になることは大会前から予想していました。また自粛期間を含めた約半年ぶりの大会でどこまで自分ができるのか不安でした。初日終了時点で、一時的な順位の変動より優勝争いに残っている事実に対して自信を持つことができました。2日目も我慢していれば必ずチャンスがあると信じて、1投1投自分の練習してきたことを全力で試していこうと心に誓いました。

photo by D.ch

2020年第23回関西オープンのコースに関しまして、難しいと思ったコース、面白いと思ったコース、思い出に残るコースはありますか?

難しいホールはPAR5の3番ホール(※)になりますね。最後まで攻略法がわからず、パーを取るのがやっとでした。練習ラウンドからいろんなことを想定してプレーしないと攻略できないホールでした。
面白いホール、そして思い出に残るホールは16番ホール(※)になります。このホールは飛距離、コントロール、そしてメンタルと全てが問われるホールだと感じます。準決勝、今回2位で最後まで優勝を争った高倉大選手に流れが傾きかけたところで、このホール勝負のビッグアンハイザーを試みバーディを奪取。勝負の流れを手繰り寄せた1つの要因だったかなと思っています。

関西オープン2020コース紹介映像 Movie by D.ch
※3番ホール281m動画(0:46~)
※16番ホール85m動画(5:22~)

試合で感じる自分の強みと弱みは何ですか?

難しい質問ですね(笑)
強みも弱みも同じで、ディスクに対して謙虚なことでしょうか。強みはどんなときも謙虚に貪欲に諦めずにプレーできることですかね。弱みは自分以外みんな上手く見えてしまうことです(笑)本当に強い人ってそんな風に思わないでしょうね。

常に練習を怠らず結果へ結びつけてきた福田選手が今課題にしている事はなんですか?

誰もが憧れるもの、ズバリ飛距離ですね。再び世界に挑戦するためには飛距離が全然足りません。どうしたら飛距離が伸びるのか、まだその答えは見えてきません。

どんな時も苦しそう、辛そうな表情を見せずプレーされている福田選手ですが、メンタル面で心がけていることはありますか?

実は意外に苦しんでますよ(笑)でも練習はもっと苦しんでいます。大会は苦しんで掴みかけたものを試す場だと思うと、どんな局面も楽しいですよね。成功したら最高に楽しい!失敗したら今自分は試されていると思ってそれを乗り越えられるよう前向きにとらえることにしています。

photo by D.ch

コロナ禍の今、練習で気をつけている事、新しく取り入れたトレーニングなどはありますか?

自粛期間中、私のホームコース(愛知県・新城総合公園)が閉鎖になりました。身近で投げられる場所は50mほどしか投げられない芝生広場。遠投ができないので、パターでアプローチショットをひたすら投げていましたが、結果的にそれがもう一度基礎を見つめ直す良いきっかけになりました。何年もプレーしていると新しいことに取り組もうとしがちですが、基礎を疎かにしてはレベルアップはないことをこの歳にして思い知らされました(笑)

アルティメット選手としても活躍する中でディスクゴルフを始められた福田選手ですが、今もアルティメットがディスクゴルフに活かされていると感じる部分はありますか?

間違いなくパターのスローイングです。アルティメットの基本はキャッチ&スローですが、それはディスク競技の全ての基本だと思っています。アプローチするときは人にパスすることをイメージして投げることを心掛けています。そのイメージでゴールを狙っていくと、ゴールに入らなくてもパスの失敗がナイスアプローチになります。先日の関西オープンでも準決勝18番ホールでパスをイメージしたスローからチップインを決めているので、D.chさんで動画が公開されたらぜひ観てください!

18番ホール35:53~

今現在、福田選手が使用するディスクはDiscmaniaの製品が多いように思われますが、Discmania製品の気に入っている部分はどこですか?

Discmaniaの名前通りマニア好みの名作が多く、そしてデザインがカッコいいところですね!あとINNOVAに比べロット数も少ないのでディスクの個体差が比較的少ないところでしょうか。私は今もINNOVAのディスクを中心に投げていますが、INNOVAの工場で作っていてINNOVAのディスクにはない個性に興味を持って購入したのがきっかけでした。この1年はハマりにハマってミステリーボックスまで購入してしまい、ディスクゴルフを始めた時と同じぐらいの勢いでディスクを購入してしまっております…(笑)

photo by D.ch

2020年8月21日より開設した福田選手のYoutubeチャンネルに関しまして、情報を発信するうえで(伝え方や見せ方など)大切にしている事はありますか?

ディスクの『楽しさ』を伝えたいと思っています。技術論なども大事ですが、どのレベルの人が観ても楽しいって思ってもらえるような仕掛けを考えています。

今後どのような内容の動画を配信していく予定ですか?

まだ明確な計画はないのですが、今回の関西オープンを振り返っての解説も面白いかなって思っています。また私が全国のコースに行き、そこで頑張っている仲間たちと一緒に投げたりして、動画を通して日本の多くのプレイヤーの交流のきっかけを作ることができれば嬉しいですね。これまで出会ってきた人たちの力を借りながら楽しいチャンネルを作っていけたらと思っています。あ、もしこんな企画やってくださいってことがあれば意見くださーい!

日本のプレーヤーの皆様へ一言お願いします。

私は子供の頃からスポーツが苦手で1番になったことがありませんでした。でもディスクに出会ってから人生が変わりました。努力すれば夢は叶うことを教えてもらいました。これからもそれを実践し夢に突き進んでいる姿を見せることで、皆様に勇気を与えることができたら嬉しいです。いつか一緒に投げることを楽しみにしています!

以上が質問回答になります。

試合直後のお疲れの中、多くの質問にお答えして頂き有難う御座いました。

インタビューでも触れておりますが福田選手は現在Youtubeチャンネルを開設しておりディスクの紹介や投げ方についてなど、始めたばかりのプレーヤーからディスク好きのベテランプレーヤーまでおもしろ楽しくディスクと向き合える動画を配信しております。和やかな雰囲気と福田選手の優しい語り、見る人を飽きさせない編集で時間があっと言う間に過ぎていくエンターテイメント性の高い内容です。今後も新しい企画が展開されていくとの事なので最新動画を見忘れないよう、チャンネル登録をしてみてはいかがでしょうか。

Koichi Fukuta YouTubeチャンネル

改めてまして福田孝一選手、関西オープン3連覇おめでとう御座います。ディスクゴルフナビはこれからも福田選手の活躍を応援しております。

福田孝一-Kouichi Fukuta
PDGA #102802

信州大学でアルティメットと出会い、卒業後、社会人チームのRootsを結成。日夜アルティメットと向き合う中、2006年にフライングディスク個人総合選手権の練習にと始めたディスクゴルフでもう一つの目標と出会う。「信は力なり」「継続は力なり」の精神で日々トレーニングに励み常に成長を続け2017年のPDGAプロ登録から、2018年度、第7回ひるがの高原トーナメント優勝、第7回北海道オープン優勝、2019年度、第2回岐阜ひるがのオープン優勝、第21回日本オープン3位、第31回日本選手権2位、第6回鹿児島オープン優勝など、公式戦における平均獲得ポイントを14.17(2016年度)、21.67(2017年度)、29.37(2018年度)と年々伸ばし2019年度には平均52.92を記録して年間ポイントランキング2位を獲得。そして2020年9月には関西オープン(第21回、22回、23回大会)で3連覇を達成。抜群のパッティング性能と常に新しい事へチャレンジし学び続ける向上心を持ち、自己を律し努力を怠らず日々邁進する事で結果を出し続けていく日本を代表するトッププレーヤー。
(※2020年9月6日までの経歴を参考)

掲載している選手写真はD.ch様よりご提供いただいています。
instagram D.ch公式インスタグラム
youtube D.ch公式Youtube

関西オープン2020-2ラウンド目フロント9

関西オープン2020-2ラウンド目バック9

関西オープン2020-3ラウンド目フロント9

関西オープン2020-3ラウンド目バック9

関西オープン2020セミファイナル(準決勝)

関西オープン2020ファイナル(決勝)

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