ゴミ100%のディスク!?地球にやさしいディスク素材

ディスクの考察

世界のディスクゴルファーが今か今かと製品を楽しみにしているブランドがあるのをご存知でしょうか?

コロラド州デンバーにある一軒のガレージで始まったディスク製造の新しい試みが、YoutubeやSNSで注目されています。

完全リサイクルディスクを目指すTrash Panda Disc Golf

Trash Panda Disc Golf(トラッシュパンダディスクゴルフ)というブランドは、2020年5月、ディスクゴルファーのJesse Stedman(ジェシー・ステッドマン)によって創設されました。10年以上ディスクゴルフをプレーしている彼は今、世界初の完全リサイクルディスクゴルフ用ディスク(廃棄物だけを使用したディスク)の完成を目標にしています。

サスティナブルなスポーツの成長を目指すTrash Panda Disc Golf

Trash Panda Disc Golfの理念は「Grow the Sport Sustainably-持続可能なスポーツの成長」

自分の愛するスポーツやそれに接する人と自然が、多様性と生産性を失うことなく、長期的に継続できる環境作りに取り組み、先の未来へそのスポーツを繋げていく事を目的とした理念です。

このサスティナブルな取り組みとして、彼は主にプラスチックゴミの削減プラスチック資源循環の観点から、ディスクゴルフで出来る環境の持続可能性を思索。結果、埋め立て地、海、そしてディスクゴルフコースで最も一般的に見つける事が出来るプラスチックゴミからディスクゴルフ製品を作るブランドを立ち上げ、それを成功させる為の活動を行なっています。

多くのプラスチック製品で一般的に使用される以下7つのタイプのプラスチックをディスクや周辺製品へ成型する実験を行なっており、2021年春には、ペットボトル容器のキャップからミニマーカーを成型し、製品化するに至りました。

一般的に製品で使用されるプラスチックの種類
PS(ポリスチレン) 種類用途
PET/PETE(ペット樹脂)ペットボトルなどに使用される原料
HDPE(高密度ポリエチレン)レジ袋などに使用される原料
PVC(ポリ塩化ビニル)衣類やバッグ類などに使用される原料
LDPE(低密度ポリエチレン)牛乳のパックなどに使用される原料
PP(ポリプロピレン)レトルト包装などに使用される原料
PS(ポリスチレン)食品トレイなどに使用される原料
OTHER(その他)

活動開始から1年で大きな注目を集める

Trash Panda Disc Golfが始まった時から、彼はYoutubeで自身の活動を配信しており、2021年6月(活動開始から約1年後)にはチャンネル登録者数が14,000人を超え、彼の活動を支援するファンが日に日に増えている事からも、この取り組みや考え方がどれだけ関心されているかを物語っています。

こちらの動画ではビニル袋(ポリ袋)からディスクを成型しています。使用するプラスチックから偶然に生まれるマーブル模様も面白く、とても興味深い内容ですね。

Making a Disc Out of LDPE (the same plastic type as plastic grocery bags!)
ビニール袋から出来たディスク

ディスクやミニマーカー成型の他にも、廃材段ボールでディスクラックを作ったり、

Making a Recycled Cardboard Disc Rack

使い捨てボトルやカップの削減、そして綺麗な水を必要とする地域に対して寄付活動を行うFill It Forward(フィルイットフォワード)とパートナーシップを結び、Fill It Forwardの専用アプリで必要なオリジナルバーコードを制作したりしています。

fill it forward × trash panda

知識ゼロの状態から機械まで手作り!

そして、驚くべき事に彼の動画で見る事ができる金型や、ディスクを成型する機械、プラスチックシュレッダーなどの設備は全て1から手作業で作られています。

そして、彼は元々特別な知識を持っていたわけではなく、これら設備の製造を、Youtubeなどでユーザーから頂いたアドバイスを元に行っているのです。

彼は多くの人の助けにより成長していく自身の活動を通して、誰もが同じことにチャレンジしそれを実行できる事を伝えています。

Trash Panda Disc Golfが発信する動画や情報は、まじめな内容でありながら硬くならず、明るく、面白く、そしてデザイン性が高いのもファンが増える要因ではないでしょうか。

最近では、Worldのトーナメントを放映していたGATEKEEPER MEDIAも取材に訪れています。

Making a Disc with Gatekeeper Media

現在(※2021年6月現在)は、高品質なリサイクルプラスチックディスクを作る事を目標としており、実用性の高い完全リサイクルディスクが誕生する日も近そうです。

今後もTrash Panda Disc Golfの活動に注目していきたいですね。

様々なブランドが行う環境への取り組み

この様に、ディスクの素材となるプラスチック資源の節約やリサイクル、地球温暖化の防止や化石資源への依存度低減、それらを考慮した新しい素材の開発や活動に取り組んでいるブランドは沢山あり、以下、その活動や製品化している素材の一部を紹介していきます。

国内店舗で購入できる製品も沢山ありますので、気になったディスクをお店で見かけたら試しに購入してみても良いですね。

VII Apparel.Co(セブンアパレルカンパニー)のGreen Line生地

アルティメット、ディスクゴルフ、サッカーなど、多くのスポーツのアパレル製品を生産しているVII Apparel.Coでは、リサイクルペットボルトを100%使用した自社開発の最新繊維「Green Line」の洋服を製品化し、二酸化炭素排出量の削減などに取り組んでおります。

また、植樹活動を行うForest Planetと協力して、Green Lineが売れるたびに植樹プログラムを実施しています。

DiscraftのRecycled UltraStar(リサイクルドウルトラスター)

空ペットボルトなど、消費し終えたプラスチック製品(ポストコンシューマプラスチック)を最大100%使用し成型された究極のリサイクルフライングディスク。プラスチックゴミの削減、プラスチック資源の節約へ繋がる環境にやさしい取り組みと共に、高品質なフライングディスクの製品化に成功しています。

↓左下がRecycled UltraStar

Recycled UltraStarはCLUB Jr.様で購入出来ます(2021年6月現在)。

Dynamic DiscsのBioFuzion(バイオフュージョン)素材

BioFuzionは、傷や外観上に問題があったLucid(ルシード)素材Fuzion(フュージョン)素材を再利用し、双方を混ぜてゼロから製造した素材です。欠陥のあったディスクを捨てる事なく再利用する事で廃棄物の削減に成功しながらも、特徴の違う素材としてプレーヤーが選ぶ選択肢の幅を広げています。

Euro DiscのBIO-plastic(バイオプラスチック)素材

再生可能な資源である、植物などを原料とするバイオベースポリエチレンを100%使用したフライングディスクを製造しています。Euro DiscBIO-plasticで成型したフライングディスクは、世界フライングディスク連盟によって認められているディスクであり、ヨーロッパ全土のアルティメットトーナメントの公式競技ディスクとして使用されるほど完成された製品です。

GatewayのOrganic(オーガニック)素材

Gatewayは再生可能資源であるトウモロコシベースのバイオポリマーとリサイクルゴムを組み合わせたOrganic素材と、麻とリサイクルゴムを組み合わせたOrganic hemp(オーガニックヘンプ)素材を製品化しています。どちらも柔らかくグリッピーな感触で、主にパター系ディスクに使用されている素材です。

InnovaのEcho Star(エコースター)素材

Echo Starは、製造工程で発生した廃棄物の中から、再利用出来るプラスチック(プレコンシューマプラスチック)を取り出し、それを最低でも50%は含むブレンドで製造されたStar素材です。プラスチックの節約と廃棄物の削減を目的とした素材でありながら、Star素材同様の高品質な性能を維持しており、ディスクのパフォーマンスと環境への配慮のバランスが取れた納得の素材です。

「Innova JapanのRecycle Herodisc(リサイクルヒーローディスク)/ディスクリサイクルシステム」

Innova Japanでは、使用済みのHerodiscを回収し、回収した資源を75%使用して新しいディスクへ再生する取り組み(ディスクリサイクルシステム)を行なっております。ディスクリサイクルシステムにご協力頂いた方には、提供して頂いた使用済みディスク10枚につき、新品の同モデルディスク1枚と交換してもらえるのも嬉しいサービスです。

※ディスクリサイクルシステムにご興味のある方はInnova Japan様の専用サイトより詳細をご確認ください。

Latitude64° のRecycled(リサイクルド)素材

製品検査に合格しなかったディスクを集めて材料へ戻し、それを再度成型したリサイクル素材のディスク。Opto Line(オプトライン)とGold Line(ゴールドライン)の廃棄から再利用された材料を混ぜ合わせて成型しており、別の素材として製品化する事で廃棄物を削減しています。

Westside DiscsのTournament Recycled Muovi(トーナメントリサイクルドムオビ)素材

製品検査に合格しなかったディスクを集めてRecycled Muovi(リサイクルプラスチック)を生成し、Tournament(トーナメント)素材と混ぜ合わせたリサイクル素材。リサイクルプラスチックとはいえ従来のTournament素材と殆ど変わらない高品質な特性があります。

以上、各社の取り組みでした。

ディスクゴルフは、2020年頃から世界的に競技者数が一気に増え、より一層注目されるスポーツになりました。

プレーヤーの増加に伴い、環境・資源・人間社会・経済など、様々な角度からプレー環境、及びそこに携わる周辺の環境をより一層充実させて、ディスクゴルフというスポーツをサスティナブルに表現していく必要がでてくる事でしょう。

スポーツを持続可能な形で成長させる

何十年と多くの人に愛されるスポーツとして個人や団体でどのような取り組みが出来るか、ディスクゴルフナビではそれら団体や個人の活動のアイデアになりそうな情報をまとめて、今後も発信していきたいと思います。

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