2022年、日本のディスクゴルフ界にまた1つ、素晴らしいプロダクトが加わりました。それは、2021年に始動したばかりの埼玉県ディスクゴルフ協会と、川口市のブルワリーGROW BREW HOUSEとのコラボ企画で誕生した、ディスクゴルフ×クラフトビール「Disc Golf IPA」です。
今回、埼玉県戸田のディスクゴルフ練習会後に「Disc Golf IPA」のお披露目がありましたので、実際に飲んだ感想も含め、紹介させていただきたいと思います。
クラフトビール「Disc Golf IPA」
海外では、ホップジャパンのように醸造所に併設したディスクゴルフコースも多いことから、ディスクゴルフコラボビールというものが多く見られますが、「DISC GOLF」という名のついた完全オリジナルのクラフトビール、しかもディスクゴルフの協会が主導となり作られたものというのは、世界を見渡してもなかなか出会えないでしょう。そんな「Disc Golf IPA」のビール情報がこちらです。
Disc Golf IPA
スタイル:IPA(INDIA PALE ALE)
アルコール:6.8%
品目:発泡酒(麦芽比率50%以上)
原材料:麦芽(海外産)、ホップ、カラギナン
GROW BREW HOUSEさんからのビール紹介
岩立佳泰さん
「土手をイメージしたビール」というお話だったので、麦の調合で、お日様みたいなカラッとした雰囲気や香ばしい香りを出して、 ホップ(メルクール-Merkur、ザーツ-SAAZ、エクアノット-Ekuanot などを使用)の特徴で瑞々しいハーバルな香りがありつつ、フルーティなビールをイメージして作りました。麦とホップ、両方の良さを活かしたビールだと思います。
GROW BREW HOUSEのコラボフリッピーも完成!
ビールの完成に合わせて、オリジナルフリッピーも完成しました。 GROW BREW HOUSEのロゴと、SPDGA(埼玉県ディスクゴルフ協会)のロゴの入ったオリジナルフリッピーは全7色。100枚限定なので、お早めに手に入れたくなりますね。ちなみにGROW BREW HOUSEのお店で購入された場合、最初の1杯50円引で楽しむことが出来ます。
Disc Golf IPAはここで飲める!西川口・GROW BREW HOUSE
このビールを造っていただいたGROW BREW HOUSEで、 Disc Golf IPAの生ビールを味わうことが出来ます。また、缶につめてのテイクアウトも可能!ビールは今回作ったものが売り切れるまで(想定で約1カ月ほど)の間楽しめるとのことですので、早めに味わいに行きましょう!
店舗情報
- GROW BREW HOUSE
- 埼玉県川口市西川口1-25-8 1F
ビールの価格
- 大 1,000円
- 中 800円
- 小 400円
コラボ企業であるGROW BREW HOUSEとは
今回コラボ先となったのは、埼玉県戸田市出身である岩立佳泰さんが、2019年に「まちのビール醸造所」として開業させた川口市にあるGROW BREW HOUSE(グロウブリューハウス)さん。
もともとフランス料理を専攻していた岩立さんが、カナダで出会った「日本のビールとはまるで違う個性豊かなビール」に大きな影響をうけたことがこの醸造所の始まりで、そこから調理師としての豊富な経験や技術、知識、そしてカナダで得たクラフトビール文化を取り入れ、川口にて今までにないクラフトビール醸造所が完成しました。木材店の跡地を活かした作りとなった店内では、ビールのタップルームとしてはもちろん、地域のコミュニティスペースとしての役割も兼ねており、近隣協力店舗からのフード持ち込みを歓迎していたり、また、川口産生姜である神根生姜や神根ゆずなど、地場の食材を取り入れたビールを提供していたりと、まさにブルワリーを超えたハブ的な存在として地域に根付かれています。
Disc Golf IPAを飲んでみて
日本初となるDisc Golfの名のついたIPA。 1月23日(日)に行われた戸田ディスクゴルフ練習会の後で、お披露目となりました。
個人的な感想としては、IPAビールの中でも甘すぎたり苦すぎたり重すぎたりすることなく、運動後に飲みたくなるすっきり軽やかな飲み心地! ホップや麦の香りが爽やかに味わえて、飲み進めると香りが変化するような、とっても美味しいクラフトビールでした!家用も買ってみたので、グラスに注いでも味わってみたいと思います。美味しいビールをご馳走様でした!
コラボビール開発の裏側
この企画を推進されたのは、2021年11月に発足された埼玉県ディスクゴルフ協会。日本で初めての“アメリカ人の協会会長”となったRob Roland(ロブ・ローランド)さんを筆頭に、精力的に活動をされています。
驚くべきはそのスピード。11月14日(埼玉県民の日)に発足させたかと思いきや、その1ヶ月後には企業コラボ先にて今回のクラフトビールの仕込みをしている様子がSNSを賑わせていました。いったいどのようにこのコラボ企画に至ったのでしょうか?
まずは、今回のコラボビール企画を主に推進された、埼玉県ディスクゴルフ協会理事長、登玉 健太さんにお話を伺いました。
登玉さんに聞く、コラボビールのお話
まずは、ディスクゴルフビールを作ろう!と思ったきっかけを教えてください。
コロナ過でお酒から離れてしまっていたり、お店の中で飲む機会がないという中で、リンクスのある荒川の土手のような開けた場所・ソーシャルディスタンスの取れる環境で、飲みたくなるようなビールをちょっと作ってみよう!ということで、企画がスタートしました。
コラボ企業であるGROW BREW HOUSEさんは、出来たころから私がずっと通っているブルワリーさんで、お話を持ち掛けたところ「是非フリスビーともコラボをしてみたい」と言って頂けたので、「では是非お願いします!」というところから、クラフトビールとのコラボが叶いました。
仕込み風景 煮込む ホップ
どのようなビールを作ろうという構想はあったのでしょうか?
クラフトビールの中でも1番有名どころのIPAから始めたいというところと、作り手の私たちがみんなIPAが好きだったことから、「Disc Golf IPA」となりました。今後の展開として、GROW BREW HOUSEさんがチャレンジしてみたかった味のビールの作製なども考えており、DISC GOLF BEERはシリーズものとして続く予定です!
今後の味の展開も非常に楽しみです!今回のように、埼玉県ディスクゴルフ協会とて地域の人やお店を巻き込んで何かをしていくというのは、もともと考えていたんですか?
考えていました。協会を立ち上げる前から話していたんですが、例えば地域のお店が主催として大会を開催して、優勝者がそのお店に協会発行の証明書のようなものを持っていけば、「生ビール一杯無料」とか。実は今もちょうどお話をしているんですけど、飲食店さんとのコラボで「お料理が1品無料」とか。ディスクゴルフの大会で少しずつ、地域と絡めてイベントをしていきたいな、という思いがあって、その第一弾としてのクラフトビールとのコラボです。
埼玉県ディスクゴルフ協会から始まって、今後、他の協会でも「何か出来るのでは」と広がっていく可能性があるというのも、すごく良いことですね。
そうですね。私が個人的に参考にしたのは、沖縄県ディスクゴルフ協会でした。例えば、大会の時に地域のお弁当屋さんからお弁当の提供を頂いたりと地域を巻き込んでいるのを参考に、埼玉県ディスクゴルフ協会も、地域を巻き込む、そして巻き込むならコラボしちゃえ!ということで。 今後も、埼玉県のお店や人、企業とコラボをやっていく予定なので、楽しみにしていてください。
ロブさんに聞く、今回の企画と協会の今後の取り組み
今回の企画、そして今後の協会についても少しお話を伺いました。
実は、ロブさんはアメリカに居た際ブルワリーでビールを造られていた経験があるんですよね。
そうなんです。Iron Hill Brewery(アイロンヒルブルワリー)という、東海岸で有名になってきているマイクロブルワリーに居ました。最初はウエイターとして入ったんですが、実は16歳くらいの頃からお父さんと趣味でビール造りを行っていたので、ビールの製造に詳しかったり、ビール用語を使っているのをブルワー(醸造師)さんが聞いて、半分ウエイターで、半分ブルワーとして働きませんか?と誘われてビールを造っていました。その後日本に来たんです。
アメリカのディスクゴルフにちなんだクラフトビールについて、何か知っていることがあれば教えてください。
ネイト・ドス (Nate Doss) 選手が、オレゴン州で開いた「BEVEL CRAFT BREWING(ベベル クラフト ブルーイング) 」というブルワリーがあって、ディスクゴルフのショット名だったり、優勝した人を記念にしたビールなどを作ったりしているんですが、そこがアメリカのディスクゴルフメディアを聞いていて、1番目立ちますね。それ以外だとそれこそホップジャパンさんのように、ホップ畑などがあって、ディスクゴルフコースがあって、という場所で作っているところもあるかと思うのですが、大学を卒業しすぐ2007年からずっと日本にいるので…勉強不足で申し訳ないです。 笑
7つの世界選手権タイトル、2つのジュニア世界選手権タイトルを持つNate Doss(ネイト・ドス)選手が2019年に立ち上げたブルワリー。Par Save Pale(パーセーブペール)や、Black Ace(ブラック エース)など、ディスクゴルフにちなんだビールを造る。ディスクの飛行を大きく向上させたと言われる「ベベルエッジ」に名を由来する。
ブルワリーで働かれていた経験から、今回、こんなビールを造ってみたい!という考えはありましたか?
僕は季節ごとに1番好きなビールが変わるんですけど、1年通してIPAが1番好きなんです。ペールエールと、IPAの作り方はそんなに違わないんですけど、ホップの量とか、ホップとモルツのバランスとかが違って、IPAの方がいいなと思ってて。ビールを作る時って、ホップを入れる作業が1番楽しいんですよ。IPAだったら思う存分出来るかなと思って。笑
登玉さんもIPAが1番好きで、T2は意外と質より量なんですけど、IPAビールすごく好きなので。岸さんはお酒が入っていれば何でも良いという感じなんですけど。笑
という事で、最初に作るならIPA!というこだわりはありましたね。
今後、埼玉県ディスクゴルフ協会の会長として、考えていることや、次にやりたいことなどありますか?
協会が発足してすぐに武蔵丘陵森林公園ディスクゴルフコースの常設の視察と、公園側との打ち合わせを行い、今は常設コースの改善の話をしています。(まだ書けませんが、今後の森林公園や協会活動の話を色々伺いました。)…とにかく、森林公園には今後、期待してください!近いうちに森林公園が大きく生まれ変わります。
今まで日本で行ってきた活動とは少し形を変えて、埼玉県内でコースの活性や大会、地域を巻き込んだ活動など色々なことを出来たら、より面白くなって、より多くの人がディスクゴルフの魅力に出会える機会が増えるんじゃないかと思っています。
森林公園の今後のお話や、5年計画としての埼玉県独自の試み、どう地域を巻き込んでいくのかなど、協会の今後の活動についてのお話をたくさんお伺いしましたが、まだこちらに書けない内容ばかり。今後の埼玉県ディスクゴルフ協会の報告を楽しみに待ちましょう!
コースに関しても、今回のビール企画に関しても、今後埼玉県ディスクゴルフ協会がモデルケースとして、他協会にも良い影響がありそうですね。
埼玉県がやって、失敗でも成功しても、やった試みとその記録。いつのタイミングで誰とどのような話をして、どのような結果が出たのかということを全部書き留めて、公表していきたいと思っています。徳島にコースを作られた四国の牛尾さんとも話をしているのですが、例えば、コースを作るにあたっての各地域の市町村の対応の違いなど、埼玉県以外の情報も含めて、今後埼玉県が出す活動記録の書類として、日本全国のディスクゴルフの普及に役立つものが出せたら良いなと思っています。
今回のGROW BREW HOUSEのコラボも、意外と簡単だったんですよ!言ってみたら、乗ってくれる、ということも多いと思うので。ちょっとでも努力したら実るということが、実績で見せることが出来たら会長としては1番嬉しいです。
実はまだ公開できない情報が多すぎて、ロブさんに伺ったお話の中の本当に一部しか記載していないのですが、今後関東のディスクゴルフ事情がガラリと変わるのではないかというほど、大きな取り組みをされており、正直鳥肌が立ちました…!今後の埼玉県ディスクゴルフ協会の活躍にこうご期待です!
埼玉県ディスクゴルフ協会により県内企業とのコラボ企画で誕生した、ディスクゴルフ×クラフトビール「Disc Golf IPA」。この機会に是非、味わってみてくださいね!