ディスクゴルフのマッチプレー徹底解説!

初めてのディスクゴルフ

日本でも耳にするようになってきた“マッチプレー”形式のディスクゴルフ。聞いたことあるけれど、実はよくわからない…という方も多いのではないでしょうか?

2025年3月に日本フライングディスク協会(JFDA)主催の第1回全日本ディスクゴルフマッチプレー選手権大会(エントリー2月18日まで受付中)も控えており、ルールを覚えたい!という方も多いかと思いますので、ここではマッチプレーについて簡単にまとめてみたいと思います。

監修・白井一夫

今回の情報は、マッチプレー形式で行われた世界選手権、WTDGC(WFDF2024世界チームディスクゴルフ選手権大会)の日本代表監督を務められた白井一夫さんに監修をいただきました。ご協力、有難うございました!

マッチプレーの基本ルール

マッチプレーのPDGA公式ルールはこちら
日本語版はこちら(JPDGA 2025年3月時点)

ディスクゴルフの試合形式にはさまざまなものがありますが、その中でも「マッチプレー」は、各ホールごとの勝敗を競う方式です。

教えて!<br>白井先生
教えて!
白井先生

マッチプレーは、2人(もしくは2チーム)でディスクゴルフをプレーし、ホール毎の勝ちの総数で勝敗を決めます。

ルールの概要

ラウンド
  • 1ホールごとの勝負:各ホールでスコアが少ないプレイヤーがそのホールの勝ちとなります。同じスコアは引き分けとなります。
  • ホールの投げる順番:投げ順は通常のディスクゴルフと同様です。2ホール目以降、前のホールで勝ったプレーヤーが先にスロー、引き分けだった場合はその前の順番を引き継ぎます。
  • 勝利が確定した時点で試合終了:たとえば、残り2ホールの時点で3ホール分リード(3up)していれば、決着がついていると見なし、その時点で試合終了となります。
決着
  • 勝ちホール数が多い方が勝ち:試合終了時に、より多くのホールで勝ちを獲得したプレイヤーが勝利します。
  • 同点の場合:引き分けを決着させるかどうか、またどのように決着させるかはTDが決定します。

マッチプレーならではのコンシード(コンシーディング)とは?

コンシードには下記4パターンがあります。

項目内容例えば
A.05 Conceding-A試合(マッチ)のコンシード体調不良、レベルの差など
A.05 Conceding-Bホールのコンシードホール完了前に明らかに勝敗がわかるなど
A.05 Conceding-C相手の次のスローをコンシード短いパットを「OK」するなど
A.05 Conceding-Dホールを引き分けにする互いに合意して時間短縮するなど

※共通:コンシードした場合、撤回はできません。また、コンシードされた場合、拒否はできません。

A、B、C、Dそれぞれ見ていきましょう。

A.マッチのコンシード

プレーヤーは、マッチが終わる前であっても、マッチをコンシードしてもよい(マッチの負けを認めてもよい)。そのマッチは対戦相⼿の勝利となる。
原文:A player may concede a match at any time before the conclusion of the match. The opponent wins the match.

教えて!<br>白井先生
教えて!
白井先生
こんな場合に使います
  • AさんとBさんの9ホールマッチで、4ホール終了した時点でAさんが4up、Bさんが4down。まだ決着はついていないが、明らかに力量が違いを感じ、体力の温存も考えて、BさんがこのマッチをAさんの勝ちとした

B.ホールのコンシード

B. プレーヤーは、両⽅のプレーヤーがホールを完了する前であっても、いつでもホールをコンシードしてもよい(ホールの負けを認めてもよい)。そのホールは対戦相⼿の勝利となる。
原文:A player may concede a hole at any time before both players have completed the hole. The opponent wins the hole.

教えて!<br>白井先生
教えて!
白井先生

ホール完了前にそのホールの負けを認めることができます。相手がスローをする前に「OK」と声をかけるなどで、ホールのコンシードすることを伝えましょう。また、「OK」と言われた後は投げてはいけません。

こんな場合に使います
  • Aさんが3投投げた後、Bさんが2投の状態でディスクがゴールすぐ近くにあり、明らかにパットが入る距離なので、AさんがBさんへコンシードした。
  • Aさんがティーショットでゴール30mにつけたのに対し、Bさんが何度もOBをし、明らかにBさんの投数が多いので、BさんがAさんへコンシードした。

C.相手の次のスローをコンシード

C. プレーヤーは、相⼿の次のスローをコンシードしてもよい(スローの省略を認めてもよい)。相⼿はホールを完了したとみなされる。

原文:A player may concede their opponent’s next throw. The throw is considered to have completed the hole.

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教えて!
白井先生

勝敗に関わらず、スローを省略するためにコンシードができます。特にゴール付近で明らかにパットが入る距離の場合などによく使用されます。

こんな場合に使います
  • AさんとBさんは2人とも1投目でゴールから20cmへ寄せた。パットをする前にAさんからBさんに「OKです」と言い、BさんもAさんへ「OKです」と言った。
    ※例えば相手にコンシードした後、自分も明らかにパットいが入る距離でも、相手から「OK」と言われていない場合はスローを続けてください。

D.ホールを引き分けにする

D. 対戦ペア同⼠で、プレー中のホールを引き分けにすることを同意できる

原文:A concession may not be declined or withdrawn.

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教えて!
白井先生

プレーを最後まで完了していなくても、両者の合意があればそのホールを引き分けにできるというルールです。

こんな場合に使います
  • 例えばロストが多く発生している池越えのホールなどで、お無理をしないためにこのホールを引き分けにする…など状況や戦略上などで、お互いが同意すれば適応できます。

スコアの付け方

マッチプレーでは、各ホールの結果をもとにスコアがつけられます。一般的な記録方法は以下の通りです。

Hole123456789勝ち数
Aさん引き分け勝ち引き分け負け負け負け勝ち勝ち勝ち4
Bさん引き分け負け引き分け勝ち勝ち勝ち負け負け負け3

↓上記のような結果の場合、スコアの付け方はこうなります。

Hole123456789勝敗
Aさん0+1+10-1-2-10+1勝ち
Bさん0-1-10+1+2+10-1負け
基本単語
  • アップ(Up):どちらかのプレイヤーがリードしているホール数。たとえば、「2アップ」は2ホール差でリードしていることを意味します。
  • ダウン(Down):リードされている場合、例えば「1ダウン」は1ホール差で負けていることを意味します。
覚えておくと便利
  • オールスクエア(All Square, AS):両者が同じホール数を獲得している場合。どちらもリードしていない状態を指します。
  • ドーミー(Dormie):残りのホール数とリードしているホール数が同じ状態のこと。また、そのホールのことをドーミーホールと言います。

日本国内のマッチプレー大会

第1回全日本ディスクゴルフマッチプレー選手権大会の開催地、南相馬馬事公苑

2025年3月にJFDA主催の第1回全日本ディスクゴルフマッチプレー選手権大会が、南相馬馬事公苑ディスクゴルフコースで開催されます(エントリー2月18日まで受付中)。自分でプレーをすると、国際大会を観戦する際の楽しみも増えますよね。この機会に、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか?2024年大会の情報については、JFDA公式ページをご確認ください。

世界のマッチプレー大会

ディスクゴルフの国際大会では、マッチプレーが採用されることもあります。最近だと記憶に新しいのは、WFDF世界チーム選手権(WTDGC)でしょう。オーストラリアのパースで開催された2024年大会では、日本代表選手もマッチプレーを戦っています。詳細は、WFDF世界チーム戦の公式ページをご覧ください。

マッチプレーの魅力

マッチプレーの魅力は、なんといってもその戦略性。攻めと守りがよりはっきりし、スコアで勝てない相手にも、戦略によって下剋上出来ることも!

1. 戦略が重要!

マッチプレーでは、各ホールの結果のみが勝敗に影響するため、リスクを取るプレーが戦略的に有効になったり、安全に置く戦略を取ることで勝利につながったりします。例えば、相手がすでに大きくミスをしているなら、安全にプレーすることでホールを確実に獲得できます。また逆に、「次の一投を入れなければ負ける!」とゆう状況では、どんなに遠くてもゴールを狙う必要があります。

2. 接戦の楽しさ

ストロークプレーでは一度の大きなミスが致命的になることがありますが、マッチプレーでは次のホールからリセットされるため、最後まで逆転の可能性があります。

3. ダイナミックな展開

マッチプレーは、1対1の戦いが強調されるため、対戦相手との駆け引きがよりダイナミックになります。そのため、観戦する側も楽しめます。

以上、マッチプレーについての簡単な解説でした!普段と趣向を変えて、通常のラウンドだけでなく、マッチプレー形式でもぜひラウンドを楽しんでにみしょう!

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